「博士の奇妙な思春期」

「大人は判ってくれない」id:jjnagi:20060707)を読んでから、読んで見るかと思った。(ほんとは「戦闘美少女〜」を読もうかと思ってたんだけど、図書館になかった。)
一章のオタクのセクシャリティでやおい女子についても言及していたけど、やおいについては、この人は部外者で、当事者である私から見て、部分的に認識がずれているように思えた。結論には影響が出ないだろうけれども。
基本的に精神分析をしている人に向けて書かれた本なのか、専門用語多いし、私には少し読みづらかった。この本でなんとなくおもしろく思ったことは以下ふたつ。
「こころ」の全ては可視化できないということ。無意識の領域というやつ。(無意識が本当にあるのかは置いておいて、人間は常に変化しているからその瞬間の全てを認識できたところで、それは既に過去のことだ。この考え方は社会学によるものだけど。あと、トラウマを認識した後では自意識も異なるのではないかということ。)
批判的な自意識は、既に生活の一部となっているメディアによって形成されるということ。事件は批評家に解釈され批判される。人はそこから学び、自分の中に自分を批判する自意識を形成すると。(メディアが未発達な地域育ちの人々と自意識を比較したらおもしろいかもしれない。)
表紙が少し手に取りづらいかも、扇情的といえばそうかも。カバーイラストはぽ〜じゅ氏によるものだそうだ。男の子のアンドロイド。

博士の奇妙な思春期

博士の奇妙な思春期