「ヤサシイワタシ」ひぐちアサ

全2巻。漫画。
ttp://d.hatena.ne.jp/furamubon/20060404/1144148680
山田さんとこ読んで気になってた。ので、今更ながら読んでみたのです。山田さんの書いていらっしゃることに全面同意しました。

「どーしてもムカツイたら相手かわいそうに思っときなよ
きっとこいつ不幸だから性格歪んでんだなって
やさしくなった気になれるよ」

作中の弥恵(ヤエ)という女子の台詞のひとつですが、こうなんか一々気に触るっつーか読んでて「うわあ…」ってなるのです。これは酷い。こんな女いたら腹立つわーって思う。そしてその存在が居心地が悪くて、目を逸らしたくなる。
でもそれは、この弥恵に多少共感してしまう部分が自分の中にあるからです。モラトリアムっていうか、未熟さとでも言い換えられる部分かもしれない。
弥恵のみならず他のキャラクターも、弥恵との関わりの中などから、未熟な部分というか、不安定な部分というか、自分が気に入らない「自分」との葛藤とでもいうのか、そういうものが読み取れる。そう、葛藤って言葉が一番的確かも。
読んでてショック受けたしちょっと気持ち悪くなったりしたけど、今の時期に読んでよかったと思った。ためになったよ。読み終わってから、しばらく意識が引きずられてた。いつかまた読み直すべきだと思った。


読むなら2巻一気に読むことをお薦めします。なかなか過激な作品ですので、精神が健康なときに読むのが良いと思いますよ。あと、今とても幸せで現状維持したいっていう人は読まないほうがいいと思います。