つまらない人でいいと思っていた

Lesson 286 つまらない大人になりたくなかった自分へ:おとなの小論文教室。
http://www.1101.com/essay/2006-02-08.html

それで、自分は、というと、
「はぁー」とか、「へぇー」とか、
ただ関心して、ただ笑い、ただ与えられるばかりで、
気の利いたリアクションひとつできなくて。
あまりにもサラリーマン然として座っていた。

この日が、はじめて、ではない。

仕事をとおして、デザイナーとか、作家とか、
多彩な人物と関わるたびに、
少しずつ、少しずつ、
自分は面白みに欠ける、中身のうすい人間ではないか、
という感覚がよぎっていた。

うすうすわかっていた。

この日、とうとう、ごまかしようなく、
それが、飽和点に達しただけのことだ。

うん。そういうことを自覚するときってあるなって思った。
私は自分がつまらない人間だということは、もうだいぶ前からわかっていて、でも実際そうなんだから仕方ないと思っていた。
こんな自分はきっとずっとこんなかんじで生きているんだろうなと、ぼんやりと想定していた。

あの日の私に必要だったのは、
組織に反発することでも、
才能がないと自分を責めることでもない。

自分の腹にあるものと向き合い、
それをごまかさず、横着をせず、
コツコツと形にしていく習慣だったのだ。

最後まで読んで、自分がよくなかったことに気付いた。
つまんなかったら、おもしろいように変えればいいんだった。
自分がつまらないのは当たり前だと思ったらいけないんだ。たぶん。変わりたいなら、そう思っちゃうのはよくない。
自分で自分のイメージを固定しないでいることは、大事なことかもしれなかった。