舞城/王太朗(ネタバレというか引用)
- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/04/24
- メディア: 文庫
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「自分が実際に生きているのか、本当はすでにとっくに死んでいるのに、ゆっくり長〜く死にながら、自分で勝手に作り上げたイメージをのんびり楽しんでいるのか、なんて区別、誰にもできない。少なくとも私にはできない。私はなんかすごい体験しちゃったし、それが実際に体験したことなのかどうか、ちょっと確信持てないのだ。いろんなところを通り過ぎたし、これで全部を通り過ぎて、グルッと一周回って元に戻ってきたのかどうか、私には判断がつかないのだ。」
「でもそんな風に、何かを自分が作り上げたイメージってことにしてしまえるなら、私自身だって架空の存在なのかも知れない。我思うゆえに我ありって言うけれど、もし自分と他人がどっかでくっついていて、相手の内側にお互い入ってこれたりするんだったら、ホントに我思ってるの?ってことになる。我思ってるつもりで、実は別の誰かが思ってることもありえる訳だから、我思ってると我思ってるけど、我思ってるんじゃなくて彼思ってるのかもしれない。じゃあ我ありってことにならない。」
「私は自分の存在を疑うことさえ楽しんでいる。人間、楽しむということが最優先だし、そう心がけなくても、最優先してる。苦しんでいる人は、その苦しみを楽しんでるんだし、頑張ってる人は、その頑張りを楽しんでる。人が今やってることが、その人の選んだ、自分にとって楽しいことなのだ。」
ここらへん、思わず笑ってしまう。おもしろい。舞城いいよなー。かっこいい。ものすごい好き嫌い分かれると思うけどね。阿修羅/ガール批評してる人けっこういる。三部の書き方に文句がある人がいるっぽいけど、私はわかりやすく書いてくれて嬉しいと思ったよ。