8月12日

特定の他人と長い時間付き合う技術があるとしたら私にはそれが欠けている。あんな風に無邪気に笑えない。思い出に思い入れがないことが悲しい。
別れはいずれ来るものだと私は当たり前に思っているし暗に言っているらしいのだけれど、その考えを諫められたことがあった。別れは来るかもしれないが、そういうことを想定して言語化するのは信用してくれていないせいかと問われた。信用していないのは私であってあなたではない。あのときも今も応えは変わっていない。
「いつかお別れする日までお付き合いしてください」が私の誠実な応えで、それ以上は嘘になってしまう。嘘でいいならいくらでも言えるけど、「死ぬまで、いや死んでからも、ずっとずっと一緒だよ」と。