逃げる夢

ひたすら逃げる夢を見ることがある。
一番多く見ていたのは小学生の頃だろうか。
追いかけてくる人がいて、その人のイメージは、黒くて大きい大人。顔も姿も見えなくて、影を実体化させたような。
私はその人に勝てなくて、追いかけられて怖いから必死で逃げるんだ。
高校生になる頃には、この夢はあまり見なくなっていたけど、落ち込んだ後の無気力になっているときに見ることがあって、これは今でもそう。
現実では、怖いことなんてそうそうない。怖くなるより先に、どうでもいいとか大したことじゃないとか予防線を張る癖があるから、ただ怖いなんてことはめったにないのだ。


昨日、見た夢はいつもと展開が違って、追いかけてくる人には、顔も姿も追いかける目的もあった。たぶん知らない人だったけど。
目が覚めて、なんか、あー、そっか、みたいに腑に落ちる感覚があった。
怖いだけなら、逃げなくてもいいのだわ。私が目的を持ってどうにか対処するとか彼の目的のために捕まるとか選ぶことができるのだ、きっとたぶん。
相手が人間なら、別に怖いことはないのだ。目的や理由が、わかればね。あとは私がどうするか、そこが問題かも。