「タナトスの子供たち―過剰適応の生態学」中島梓

やおい腐女子に関する考察の本なんだけど、後ろの方は飛躍して依存症とか社会病理について語る本になっている。(社会病理とかはあまり根拠のない著者の主張のようで、疑問に感じるところも多々あり、あまり間に受けなくてもいいかなと思った。)


著者の中島梓は別名義(=栗本薫)でやおい作品を書いていた人で、「やおい創世」に携わった一人であるらしい。
やおい誕生」「やおい創世記」に関しての考察は読む価値があったと思った。でも納得はしきれないし、的外れな部分もあったと思う。それに、やおいが誕生してそれに反応した女子がいて数が増えて勢力を増して、とここまでで、ここから先のやおい女子についての考察はほぼない。つまり、初めにやおいが既に一ジャンルを形成してあるものとして認識した世代については触れられていない。
最初の方が特に「(爆)」「(ぉ」などが語尾に付く、セルフ突っ込み系な書き方をしているので、読むのが疲れた。余計な話が多いし、もう少し論理的にすっきりまとめて書いてほしいと思った。

タナトスの子供たち―過剰適応の生態学 (ちくま文庫)

タナトスの子供たち―過剰適応の生態学 (ちくま文庫)