そこから何が見える?

文章を読んでいるときや誰かとの会話を思い出しているときに、その書き方や言葉遣いなどの表現から、垣間見えるものの見方を、その視点を羨ましく思うことがある。
めったにないことだが、そう思うときは、その文章を書いた人を、その言葉を言った人を好きになっていたりするのかもしれない。っていうか、たぶんなっているんだろう。
どのような経験をすればそうなれるか、私は知らないし、知ったところで、そうなれるとも思わない。私とその人は決定的に違うものだということはわかっている。
同じ場所にいても同じく見えない。それは違う人間だから、誰だって完全に同じく見えることはないだろうけど。
私がその見方を羨ましく思うとき、できることなら、その人の内部に入り込んで、その見方をしてみたいとも思う。そう、強く望む。
望んだところで、できないことはわかっている。だから、私はできるだけその表現に触れていたいと思う。