眠れぬ夜のひとりごと

ⅥPつまんねーし、さっさと寝るか。もうすぐ学校始まるし朝起きられるようにしないとなとか思って布団に入ったんだけど、案の定寝付けなくて。布団の中から、ケータイでブクマしてあるサイトを見たり。更新してありそうなとこ見て回った。全部読んだ。でも眠れない。


一個、ブクマの下の方にずっと開いてないけど登録してあるサイトがあって。そのサイトは二次創作(いわゆる同人)の小説などを置いているところだ。なんでずっと開いてないかというと、そこがもう更新されないことはわかっているから。そこで書いていた人がもう亡くなっているから。
少しだけそこを開くことに躊躇したけど、まだサイト残ってるのかなって、気になったので開いてみた。
あった。まだあった。あの日のままに残っていた。


あの日のうやむやな記憶によると、BBSに友人を名乗る人から「ここの管理人は亡くなりました」という主旨のことが書いてあったと思い出して、それもまだあるのかなと思って、BBSを開く。
最後の書き込みは最近だ。もう数年も前のことなのに、未だに見に来ている人がいるんだ。
遡ってBBSを見る。
「もう3年がたちました」「今日は命日なので見に来ました」「天国はいいところですか」「まだこのサイトを見に来てしまいます」「いつ読んでも○○さんの作品は色褪せません」


私は今この感情を言葉に出来ないが、このどうしようもないかんじはわかっていただけるのではないだろうか。
人が死ぬっていうのは、こういう一面もあるってこと。まだ生きている人たちがその人を惜しんでしまうこと。



続いて、同じサイトの日記を見る。最後の日付は2002年3月。もうそんなに前のことか。
書いてある内容は他愛もない。病院のことが書いてあって、ああ、そういえばこの人は病気で入院していて、それから亡くなったんだったと思い出す。白衣萌えとか、本当に他愛もない日記。ネガティブなことは一言も書かれていない。
ああ、そうだった。こういう人だった。だから、この人はまだ忘れられないんだろう。立派な人だったから。


サイトの文面でしか、私はそのことを察することができないが、その中からでもわかることがある。だから今でも見に来る人が絶えないのだろうと思う。


そのサイトを見ていて、またぼんやりと思い出したことは、その人が亡くなったのを知らせた友人の書き込みに、同時にこのサイトは消さないで残しておくと書いてあったこと。今でも管理しているんだろう。きっと。そういえばBBSが新しく追加されていた。
あの人は、そういう人付き合いをしていたんだろうと思った。


どうして、こんな立派な人が亡くなってしまうんだろう。いや、人は死ぬものだってわかっているけど。この人の場合は、少し早すぎる。








どうして、私はまだ生きているんだろう。
あの人と比べると情けなくて涙が出る。